- 労働衛生(有害業務に係るもの)
- 6.温熱、高圧等作業環境
- 温熱、高圧等作業環境
- Sec.1
1温熱、高圧等作業環境
■熱中症
高温および暑熱環境下において発症する、急性的な障害に熱中症がある。熱中症の誘因となる高温環境下には、夏季の猛暑、重労働や運動、労働環境条件等さまざまな原因により発生する。
熱中症の症状としては以下の4分類に分けられる。
熱中症 |
重症度 |
症状 |
① 熱虚脱 (熱失神) |
Ⅰ度 |
血液が皮膚に集まって脳への血流が少なくなって、めまいや失神、立ちくらみという症状を引き起こす。 |
② 熱痙攣 |
Ⅰ度 |
多量の発汗によって体内における水分と塩分が失われ、塩分濃度が低下することによって筋肉痙攣を引き起こす。 |
③ 熱疲労 |
Ⅱ度 |
多量の発汗によって体内における水分と塩分が失われ、脱水症状によって嘔吐、頭痛、めまい、頻脈などの症状を引き起こす。 |
④ 熱射病 |
Ⅲ度 |
体温調節中枢が麻痺を起こし、体温上昇、発汗停止、意識障害、呼吸困難を引き起こす。 |
・ 熱中症対策としては、涼しい場所で衣類をゆるめて安静にさせて水分の補給を行う。熱痙攣がある際には塩分を与える。熱射病の場合には水分をかけて体を冷却させる。また一刻も早く病院への搬送をする。
・ WBGT指数(湿球黒球温度指数)というのがあり、気温・気流・湿度・ふく射熱を算出して熱中症予防の暑さ指数として利用される。熱中症を予防する指標として一般に用いられているものである。(WBGTは、Wet-bulb Globe Temperatureの略)