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  • 温熱、高圧等作業環境
  • Sec.1

1温熱、高圧等作業環境

N222022/03/23 11:43

熱中症

高温および暑熱環境下において発症する、急性的な障害に熱中症がある。熱中症の誘因となる高温環境下には、夏季の猛暑、重労働や運動、労働環境条件等さまざまな原因により発生する。

 熱中症の症状としては以下の4分類に分けられる。

 

熱中症

重症度

症状

熱虚脱

(熱失神)

Ⅰ度

血液が皮膚に集まって脳への血流が少なくなって、めまい失神立ちくらみという症状を引き起こす。

熱痙攣

Ⅰ度

多量の発汗によって体内における水分と塩分が失われ、塩分濃度が低下することによって筋肉痙攣を引き起こす。

熱疲労

Ⅱ度

多量の発汗によって体内における水分と塩分が失われ、脱水症状によって嘔吐、頭痛、めまい、頻脈などの症状を引き起こす。

熱射病

Ⅲ度

体温調節中枢が麻痺を起こし、体温上昇、発汗停止、意識障害、呼吸困難を引き起こす。

熱中症対策としては、涼しい場所で衣類をゆるめて安静にさせて水分の補給を行う。熱痙攣がある際には塩分を与える。熱射病の場合には水分をかけて体を冷却させる。また一刻も早く病院への搬送をする。

WBGT指数(湿球黒球温度指数)というのがあり、気温・気流・湿度・ふく射熱を算出して熱中症予防の暑さ指数として利用される。熱中症を予防する指標として一般に用いられているものである。(WBGTは、Wet-bulb Globe Temperatureの略)

 

低温障害

 低温障害としては以下の3分類がある。

 

低温障害

症状

凍傷

0℃以下の寒冷により組織の凍結壊死(えし)状態になる。

凍瘡(とうそう)

0℃以上の寒冷と湿気により、しもやけなどを起こす。

低体温症

体内温度が35℃以下に冷やされると筋硬直になり、体内温度が26℃前後までになると意識消失を引き起こす。

「ゴロ」として、「手痛いサンゴ」(低体・35

「凍瘡」はしもやけのことであり、「凍傷」のような皮下組織の凍結壊死を伴うものではない。

 

 

減圧症

潜水業務による減圧症は、浮上による減圧に伴って血液中の窒素が気泡となり組織を圧迫することで生じる。減圧症により皮膚のかゆみ、関節痛、胸痛などを引き起こす。