• 関係法令(有害業務に係るもの)
  • 4.労働基準法
  • 労働基準法
  • Sec.1

1労働基準法

N222022/03/23 11:21

時間外労働の制限

使用者は労使協定がある場合には法定労働時間を超えて時間外労働を労働者に対して行わせることができる。しかしながら健康上有害な業務の労働時間延長1日について2時間を超えてはならないと定められている。

 

12時間を超えて労働時間を延長することができない業務

① 多量の高熱物体を取り扱う業務および著しく暑熱な場所における業務

② 多量の低温物体を取り扱う業務および著しく寒冷な場所における業務

③ ラジウム放射線、エックス線その他有害放射線にさらされる業務

④ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

異常気圧下における業務

⑥ 削岩機、鋲打機等の使用によって身体に著しい振動を与える業務

重量物の取り扱い等の重激なる業務

⑧ ボイラー製造等、強烈な騒音を発する場所における業務

⑨ 鉛、水銀、クロム、ヒ素、黄りん、フッ素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二酸化炭素、青酸、ベンゼン、アニリン、その他これに準ずる有害物の粉じん、蒸発又はガスを発散する場所における業務

⑩ 上記のほか、厚生労働大臣の指定する業務

・ 「深夜業務」、「病原体汚染のおそれのある業務」、「VDT作業」、「大部分の労働が立位作業」は2時間を超えて作業の延長が可能である。

 

 

年少者の就業制限

年少者の就業制限においても厳しい定めがある。

なお、満20歳に満たない者を未成年者といい、満18歳に満たない者を年少者という。

 

(1) 年少者の深夜業の禁止(法61条)

 使用者は、18に満たない者を午後10時から午前5までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する16才以上の男性については、この限りでない。

 

 

(2) 年少者の坑内労働の禁止(法63条)

 使用者は、18に満たない者を坑内で労働させてはならない。

 

 

(3) 年少者の危険有害業務の就業制限(法62条)

 使用者は、満18才に満たない者に、運転中の機械若しくは動力伝導装置の危険な部分の掃除、注油、検査若しくは修繕をさせ、運転中の機械若しくは動力伝導装置にベルト若しくはロープの取付け若しくは取りはずしをさせ、動力によるクレーンの運転をさせ、その他厚生労働省令で定める危険な業務に就かせてはならない。

 

 

(4) 年少者の重量物を扱う就業制限(法62条)

使用者は、満18才に満たない者に、厚生労働省令で定める重量物を取り扱う業務に就かせてはならない。

 

年少者の重量物を取り扱う業務の就業制限

 

断続作業(kg)

継続作業(kg)

16歳未満の女子

12

8

16歳未満の男子

15

10

18歳未満の女子

25

15

18歳未満の男子

30

20

ゴロとして、「18歳の男子がサンマ(30)を釣る(20)

 

女性の就業制限

 

(1) 女性の坑内業務の就業制限(法642

妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年を経過しない女性・・・坑内で行われるすべての業務

前号に掲げる女性以外の満18歳以上の女性 坑内で行われる業務のうち人力により行われる掘削の業務その他の女性に有害な業務として厚生労働省令で定めるもの

 

 

(2) 女性の危険有害業務の就業制限(法643

使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。

 

 

(3) 女性の重量物を取り扱う業務の就業制限

重量物を取り扱う業務にあたって、下表の重量以上の場合にはすべての女性の就業が禁止されている。

 

女性の重量物を取り扱う業務の就業制限

 

断続作業(kg)

継続作業(kg)

18歳以上の女子

30

20

18歳未満男子の重量物就業制限と同じ。

 

 

【アウトプット】

18. 18歳以上で産後1年以上経過した女性から、10kgの重量物を継続作業で取り扱う業務に従事したい旨の申出があった場合には、当該業務に就かせることができる。