- 労働衛生(有害業務に係る以外のもの)
- 5.作業環境管理
- 作業環境管理
- Sec.1
1作業環境管理
■作業環境管理
作業環境を良好な状態に維持することを「作業環境管理」という。これに対して労働者の作業そのものをコントロールして健康障害を防止することを「作業管理」という。
衛生管理者としては、作業そのものの分析をはじめて、作業手順や方法などを「作業標準」や「マニュアル」等に定めていく必要がある。
■VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン
(1) VDT作業
コンピューターを使用する作業のことをVDT作業という。厚生労働省はVDT作業を行う労働者のために「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を策定している。
「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
① ディスプレイ画面上の照度は500ルクス以下、書類とキーボードとの照度は300ルクス以上とする。 ② ディスプレイ画面との視距離はおおむね40cm以上を確保する。 ③ ディスプレイ画面の上端は、目の高さと同じかやや下になることが望ましい。 ④ 単純入力型や拘束型の場合には、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の作業時間までに10分~15分の小休止時間を設け、一連続作業時間に1~2回程度の小休止を設ける。 |
・ 「単純入力型」とは、作成された資料等を機械的に入力する作業のこと。
・ 「拘束型」とは、作業時間に在席することを拘束されているコールセンター業務等をいう。
・ 「40cm」を始終(シジュウ)見るのは異常(以上)という覚え方がある。
(2) VDT健康診断
VDT作業従事者に対する特殊健康診断の検査項目には以下のものがある。
「VDT作業従事者に対する特殊健康診断」
検査項目 |
詳細 |
① 自覚症状の有無の検査 |
精神的疲労・眼精疲労・ストレス等 |
② 眼科学的検査 |
視力や調整機能等 |
③ 筋骨格系に関する検査 |
上肢の運動機能等 |
・ VDT作業健康診断は、一般健康診断の際に併せて実施してもよい。
・ 業務歴や既往歴も検査対象項目に入れて、上記3つと合わせて5項目が必要項目。
■職場における喫煙対策のためのガイドライン
厚生労働省では、事業場への喫煙対策推進のために「職場における喫煙対策のためのガイドライン」を策定している。事業場全体を「全面禁煙」にする対応があるが、このガイドラインでは受動喫煙を防止する「空間分煙」を講じている。
「空間分煙に対する措置」
① 空間分煙対策では可能な限り喫煙室を設置するか、困難な場合には喫煙コーナーを設置する。 ② 喫煙室等には原則として局所排気装置または換気扇等の機器を設置する。やむを得ず空気清浄装置を設置する場合にはガス状成分を除去できないことを留意して対策を講じる。 ③ 浮遊粉じん濃度を0.15mg/㎥以下、一酸化炭素濃度を10ppmとするようにする。 ④ 非喫煙場所へのニオイ等の漏れを防止するため、喫煙室等へ向かう気流風速を0.2m/s以上とする。 |
・ 自らの意思にかかわらず環境下でたばこの煙を吸入することを受動喫煙という。この受動喫煙を防ぐために空間分煙を徹底する必要がある。