- 刑法(総論)ー14.刑罰の消滅
- 2.刑の時効
- 刑の時効
- Sec.1
1刑の時効
■刑の時効
(1) 刑の時効の意義
刑の時効とは、一定期間の経過を条件として刑罰権を消滅させることをいい、刑の時効が完成すると刑の執行が免除される。(刑法31条)
(2) 刑事法上の時効
刑事法上の時効としては、次の2つがある。
① 公訴の時効 ② 刑の時効 |
(3) 公訴の時効
公訴権は時効によって消滅する。犯罪行為が終った時点から起算して(刑訴法253条1項)、一定期間が経過すれば、時効が完成し、その後の起訴は許されない。(刑訴法337条4号)
(4) 刑の時効
① 刑の時効の意義
刑罰権も一定期間行使されないときは時効によって消滅する。刑の言渡しを受けた後一定期間執行がなされないときは、その執行が免除される。(刑法31条)したがって、犯罪者が逃げ廻っていて捕まらないうちに一定期間が経過すると、もはや犯人を裁判にかけて処罰することができなくなる。
② 時効期間
時効は、刑の言渡しが確定した後、次の期間その執行を受けないことによって完成する。
a) 無期の懲役又は禁錮 10年 b) 10年以上の有期懲役又は禁錮 20年 c) 3年以上の有期懲役又は禁錮 10年 d) 3年未満の有期懲役又は禁錮 5年 e) 罰金 3年 f) 拘留、科料、没収 1年 |