• 刑法(総論)ー11.刑罰論・刑罰の意義
  • 5.財産刑
  • 財産刑
  • Sec.1

1財産刑

堀川 寿和2022/02/10 11:16

罰金

罰金は、1万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、1万円未満に下げることができる。(刑法15条)

科料

科料は、1000円以上1万円未満とする。1万円未満という点で罰金と異なる。

 

労役場留置

(1) 労役場留置の意義

労役場留置とは、罰金又は科料を完納することができない者に、労役場に期間を定めて留置することを内容として言い渡される換刑処分をいう。

 

(2) 趣旨

罰金や科料を納められない者に対し、それを放置したのでは刑罰の目的が達せられない。そこでこれらを納められない者は労役場に留置し、労役を課することにしたものである。(刑法18条)

 

(3) 労役場留置期間

① 罰金を完納できない者

罰金を完納できない者は1日以上2年以下の期間内、労役場に留置する。(刑法18条1項)

罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合は、1日以上3年以下とすることができる。(同条3項)

② 科料を完納できない者

科料を完納できない者は、1日以上30日以下の期間、労役場に留置する。(刑法18条2項)

科料を併科した場合は、60日まで認められる。(同条3項)60日を超えることはできない。

 

(4) 労役場留置の執行

次の期間内は本人の承諾がなければ留置の執行をすることができない。(刑法18条5項)

① 罰金について

裁判が確定した後、30日以内。

② 科料について

裁判が確定した後、10日以内。