- 民事訴訟法ー12.債権及びその他の財産権に対する強制執行
- 4.扶養義務等に係る金銭債権についての強制執行の特例
- 扶養義務等に係る金銭債権についての強制執行の特例
- Sec.1
1扶養義務等に係る金銭債権についての強制執行の特例
■扶養義務等に係る金銭債権についての強制執行の特例
(1) 扶養義務等に係る金銭債権についての間接強制
民執法151条の2第1項(扶養義務等)に掲げる義務に係る金銭債権についての強制執行は、直接強制の方法により行うほか、債権者の申立てがあるときは、債務者が支払能力を欠くためにその金銭債権にかかる債務を弁済することができないとき又はその債務を弁済することによりその生活が著しく窮迫する場合を除き、間接強制の方法によって行う(民執法167条の15第1項6項)。間接強制とは、債務者に対して一定の期間内に債務の履行をしないときは損害賠償を支払えと命ずる方法によって債務者に心理的圧迫を与えて履行を強制する方法である。
(2) 扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例
債権者が扶養義務等に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、民執法30条1項の規定(請求が確定期限の到来に係る場合、強制執行は期限到来後に限る。)にかかわらず、当該定期金債権のうち6か月以内に確定期限が到来するものについても、民執法167条の15第1項に規定する方法による強制執行を開始することができる(民執法167条の16)。通常であれば、請求が確定期限の到来に係る場合、強制執行は期限到来後に限られるが、その特例規定である。